活動報告10月13日「パレスチナ・ガザを学ぼう」報告
すでにご案内のとおり、一昨日10/13、柏中央公民館でドキュメンタリー映像「10月7日からのガザ」を観る会がありました。10/2の武本さんの報告会を受けて、ガザの状況を映像を通して知るための勉強会でした。24名ほどの参加者のうち、10名ほどは私たちのスタンディンに参加されている方たちでしたが、それ以外の方は今回の企画のなかで新しく参加された方たちでした。どこまでも武本さんを柏にお呼びするためのアドホックな動きの一環でしたが、柏でのパレスチナ理解の広がりに繋がればと思います。
当日は映像を観たあと、私の方から数点補足をしましたが、ぜひ共有したいこととして以下のようなことを喋りました(実際には以下のことを全て喋ったわけではなく、だいぶ端折っています)。
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ご承知のとおり、10/9に元ICC(国際刑事裁判所)の裁判官だったナビ・ピレイさんのノーベル平和賞の受賞報道がありました。そして、アメリカ政府によるICCへの制裁措置の報道がほぼ同時に行われました。ICCとアメリカトランプ政権との対立が際立った形で鮮明になった瞬間でした。あまりメディアでは強調されませんが、その対立の核にはパレスチナのこと、とりわけガザがあります。昨年9月、国連人権理事会が設置した独立調査委員会は、ガザでのイスラエルの軍事行動をジェノサイドと認定しましたが、ナビ・ピレイさんはその委員会の委員長でした。
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ここでは今回のナビ・ピレイさんの受賞という出来事(あるいは、上記の「対立」の構図)は歴史的にどこまで遡れるかということがテーマになります。
新聞などの情報をまとめると、ナビ・ピレイさんは南アのダーバンの出身です。彼女は、弁護士としての活動を20歳代の1960年代後半、アパルトヘイト政策に抵抗する活動家たちを弁護することから始めています。また、1991年のアパルトヘイト撤廃後のマンデラ政権下では高等裁判所の裁判官になっていますから、マンデラが推し進めた「民族和解政策」に司法の立場から関わった人だと考えてよいのだろと思います。その後2003年にICCの裁判官になり、08年に国連人権高等弁務官に、というのが彼女のその後のキャリアです。
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こうした彼女と直接結びつける材料は手元にありませんが、2001年9月に国連が南アで「反人種主義・差別撤廃世界会議」 を開いたことと彼女の活動の軌跡とは内容的に切り離せないと私は思います。少なくとも国連はアパルトヘイト政策撤廃と、その後の「民族和解」の取り組みを評価して南アでの会議の開催を決めているはずです。この会議、一般には開催都市の名をとってダーバン会議と呼ばれています。偶然でしょうが、ナビ・ピレイさんの生まれた街です。
このダーバン会議で、シオニズムの評価をめぐって他の参加国と対立したアメリカとイスラエルが議場を退席したことは有名な出来事です。同会議では人種差別問題と並んで「植民地清算」問題も大きな課題でした。欧米諸国とかつて植民地支配を強いられたグローバルサウスの諸国との対立構図がそこにはあって、パレスチナを支配するイスラエルの政策が現在も進行している植民地主義だとする主張が当然なされたわけです。ダーバン会議が提起した問題は、その直後に起きた9・11とその後のアメリカの過剰な軍事行動に掻き回されて、影が薄くなってしまったきらいがあるのですが、パレスチナのことや現代史を見ていくときの極めて重要な筋だと私は思っています。
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ちなみにICCが取り扱ういくつか罪の概念のひとつに「人道に対する罪」があります。これはナチスの行為を裁くために連合国が新たに提起した「罪」概念で、「国家抗弁の禁止」を重要な原則にしています。国家(=上官)の命令であることを理由に個人が免責を主張することを禁じるルールです。この罪の概念をナチスを裁いたニュルンべクル裁判に持ち込んだのは、連合国のなかでもアメリカです。アメリカの最高裁判事をしていたロバート・ジャクソンが連合国のルール作りの会議で提起して導入しています。戦後、その延長線上に設立されたICCにアメリカは、自国の兵士が罪に問われる可能性があるからと言って参加してこなかったのですから、それ自体がとんでもないダブルスタンダードですが、冒頭で述べた「対立の構図」がどこまで遡れるのかというと、ここまでは繋がるということになります。(最後の箇所は三浦正義著『「人道に対する罪」の誕生』丸善プラット、蟻川恒正著『憲法的思惟』岩波書店を参照)
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ノーベル平和賞というのは、随分揺れ幅の大きな賞で疑問符の付くことがある賞ですが、今回はばかりは拍手したい気分で、勉強会の最初に触れた次第です。
イスラエルが10/27、アメリカが11/3、それぞれ選挙があります。とくにイスラエルは選挙後もガタガタして大勢が決まらないことがあったりしますが、スタンディングを中心にしてやってきている私たちも、今後のことを話し合うタイミングに来ているように感じます。
2026/10/15 15:11